はじめての高配当投資 税金・NISAの全体像を解説
高配当投資にご興味をお持ちいただきありがとうございます。このサイトは、高配当投資を始めるにあたって避けて通れない税金や、資産形成に役立つNISAなどの制度について、投資初心者の方にも分かりやすく解説することを目指しています。
高配当投資は魅力的な投資手法ですが、「税金が難しそう」「NISAって複雑そう」と感じて、なかなか一歩を踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、はじめて高配当投資に取り組む方が、税金やNISAについて最初に知っておくべき基本的な全体像を分かりやすくご説明します。
なぜ高配当投資には税金がかかるのか
投資によって利益を得た場合、原則としてその利益に対して税金がかかります。これは高配当投資も例外ではありません。高配当投資の主な利益としては、「配当金」と「値上がりした株を売却した際に得られる利益(譲渡所得)」の二つがあります。これらの利益は所得とみなされ、税金の対象となります。
税金がかかる理由は、国が高配当投資によって得られた個人の所得に対して、公平に税負担を求めるためです。この税金は、国の運営や公共サービスのために使われます。
高配当投資でかかる税金の種類
高配当投資で主に発生する所得は以下の二つです。
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配当所得
- 企業が利益の一部を株主に分配する「配当金」として受け取る所得です。
- 原則として、配当金を受け取る際に税金が源泉徴収(あらかじめ差し引かれること)されます。税率は所得税15.315%(復興特別所得税を含む)と住民税5%で、合わせて20.315%です。
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譲渡所得
- 保有している株式を、購入した時よりも高い価格で売却した場合に得られる所得です。
- 原則として、この譲渡所得に対しても税金がかかります。税率は所得税15.315%(復興特別所得税を含む)と住民税5%で、合わせて20.315%です。
これらの税金は、利益が発生する都度、あるいは売却時に発生します。
税金の支払い方法:源泉徴収と確定申告
投資で得た利益にかかる税金の納付方法には、主に「源泉徴収」と「確定申告」があります。
- 源泉徴収: 証券会社が、お客様が得た利益からあらかじめ税金を計算し、差し引いて国や地方自治体に納めてくれる仕組みです。投資家自身が税務署に申告する必要がなくなるため、多くの投資家にとって便利な方法です。特定口座(源泉徴収あり)を選択した場合に適用されます。
- 確定申告: 投資家自身が1月1日から12月31日までの1年間の所得と税金を計算し、翌年の定められた期間内に税務署に申告・納税する手続きです。特定口座(源泉徴収なし)や一般口座を利用している場合、原則として確定申告が必要です。配当所得については、申告不要制度を選択することも可能です。
投資初心者の方には、税金計算や申告の手間が省ける特定口座(源泉徴収あり)を選ぶのが一般的です。
NISA制度の活用:税金ゼロで投資できる仕組み
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は、特定の投資枠内で得た利益(配当金や譲渡所得)にかかる税金が非課税になる、非常にメリットの大きい制度です。通常20.315%かかる税金がゼロになるため、手取りの利益を最大化できます。
2024年から始まった新しいNISA制度は、従来のNISAよりも非課税で投資できる金額や期間が拡大され、さらに利用しやすくなりました。新しいNISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、高配当株投資は主に成長投資枠を活用することになります。
NISA口座内で高配当株を購入し、そこから得られる配当金や売却益は、非課税枠の上限額内であれば税金がかかりません。税金について理解することは大切ですが、まずはNISA制度を賢く活用することで、税金の心配をせずに投資を始めることができます。
投資を始める前の最初のステップ
高配当投資を始める前に、まずは税金やNISAについて、この記事でご紹介したような基本的な全体像を掴んでいただければ幸いです。
具体的なステップとしては、以下の点が挙げられます。
- 証券口座を開設する: 多くの投資家は、税務手続きが簡単な特定口座(源泉徴収あり)を選択しています。同時にNISA口座も開設しておくと、非課税メリットをすぐに活用できます。
- NISA制度について理解する: 特に新しいNISAの成長投資枠が、高配当投資にどのように活用できるのかを確認しましょう。
- 税金の基本を押さえる: 配当金と譲渡所得に税金がかかること、源泉徴収という仕組みがあることを理解しておけば、最初のハードルは低くなります。
この記事でご紹介した内容は、高配当投資における税金と制度の入口に過ぎません。さらに深く学ぶことで、非課税制度を最大限に活用したり、場合によっては確定申告で税金を取り戻したりすることも可能です。
まとめ
高配当投資にかかる税金は、配当所得と譲渡所得の二種類が主であり、それぞれに税率が定められています。税金の支払い方法としては、便利な源泉徴収と自身で行う確定申告があります。
投資初心者の方は、税金計算の手間が省ける特定口座(源泉徴収あり)を選び、同時にNISA制度を最大限に活用することから始めるのがおすすめです。NISA口座を使えば、非課税枠内で得た利益に対する税金はゼロになります。
税金や制度は一見複雑に感じられるかもしれませんが、基本を押さえ、一つずつ理解していくことで、安心して高配当投資に取り組むことができるようになります。このサイトでは、今後も高配当投資にかかる税金や制度について、さらに詳しく解説していきますので、ぜひご参考にしていただければと思います。