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高配当投資の確定申告の始め方:必要書類と手順をステップ解説

Tags: 高配当投資, 確定申告, 税金, 手続き, 初心者向け

高配当投資を始められ、配当金や売却益を受け取る中で、「確定申告が必要になるの?」と疑問に思われたり、「いざ確定申告が必要になったけれど、何をどうすれば良いか分からない」と不安を感じられている方もいらっしゃるかもしれません。

高配当投資にかかる税金は、特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば、原則として確定申告が不要なケースが多いです。しかし、いくつかの条件に当てはまる場合には、確定申告が必要になったり、あるいは確定申告をすることで税金が戻ってくる(還付される)メリットがあったりします。

この記事では、高配当投資に関する確定申告が必要になった方向けに、確定申告を始めるにあたって必要な書類の準備から、具体的な申告の手順までを分かりやすくステップ形式で解説いたします。この記事をお読みいただくことで、確定申告の手続きの流れを理解し、ご自身で申告を進めるための第一歩を踏み出せるはずです。

確定申告が必要になるのはどんな時?(おさらい)

まず、高配当投資において確定申告が必要になる主なケースを簡単におさらいします。すでに確定申告が必要であることをご存知の方は、次の章へお進みください。

ご自身の状況に合わせて、確定申告が必要か、あるいは確定申告をすることでメリットがあるかをご確認ください。

確定申告を始める前に準備すること:必要書類の収集

確定申告の手続きを進める上で、最も重要かつ最初のステップは、申告に必要な書類を漏れなく集めることです。高配当投資に関連する確定申告で必要となる主な書類は以下の通りです。

これらの書類は、申告期間が始まる前に余裕をもって集めておきましょう。書類が見当たらない場合は、速やかに発行元(証券会社、勤務先など)に問い合わせてください。

確定申告の具体的な手順をステップ解説

必要書類が揃ったら、いよいよ確定申告書を作成し、提出するステップに進みます。確定申告の方法は主に以下の3つがあります。

  1. e-Tax(国税電子申告・納税システム)で申告:
    • 国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用し、パソコンやスマートフォンから申告書を作成・提出する方法です。
    • マイナンバーカード方式やID・パスワード方式があります。
    • 自宅から手続きができ、添付書類の一部提出省略が可能など、最も便利な方法とされています。
  2. 確定申告書を作成して郵送または税務署へ持参:
    • 国税庁のウェブサイトで申告書をダウンロードして手書きするか、「確定申告書等作成コーナー」で作成した申告書を印刷し、必要書類を添付して税務署に郵送するか、直接提出する方法です。
  3. 税理士に依頼:
    • 税金の専門家である税理士に申告書の作成と提出を代行してもらう方法です。複雑な申告や時間がない場合に有効ですが、費用がかかります。

ここでは、多くの方が利用されると思われるe-Taxを利用した「確定申告書等作成コーナー」での申告を前提に、大まかな手順を解説します。

ステップ1:国税庁ウェブサイトにアクセスし、作成開始

国税庁ウェブサイトの「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。案内に従って、申告書作成を開始します。令和〇年分の申告書作成を選び、所得税の申告書を作成することを選択します。

ステップ2:申告方法の選択と利用者情報の入力

e-Taxで提出するか、印刷して提出するかを選択します。e-Taxを選択した場合は、マイナンバーカード方式かID・パスワード方式(事前に税務署で取得が必要)を選択します。氏名、住所、マイナンバーなどの利用者情報を入力します。

ステップ3:所得内容の入力(高配当投資関連)

収入金額・所得金額の入力画面に進み、ご自身の所得の種類を選択して入力します。高配当投資に関連するのは主に以下の項目です。

ステップ4:所得控除・税額控除の入力

源泉徴収票などに基づいて、給与所得やその他の所得を入力します。次に、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除などの所得控除や、住宅借入金等特別控除、外国税額控除などの税額控除を入力します。外国税額控除を受ける場合は、ここで必要な金額を計算・入力します。

ステップ5:計算結果の確認と納付・還付金額の表示

入力した情報に基づいて、税金が自動的に計算されます。納める税金(納税額)または戻ってくる税金(還付額)が表示されます。入力内容に間違いがないか、特定口座年間取引報告書などの書類と照らし合わせて慎重に確認してください。

ステesh 6:申告書の提出

e-Taxの場合は、計算結果を確認後、電子署名を行い、インターネットを通じて税務署に送信します。印刷して提出する場合は、作成した申告書を印刷し、必要書類のコピーなどを添付して税務署に郵送するか持参します。

ステップ7:納税または還付金の受け取り

納税が必要な場合は、指定された方法(振替納税、e-Taxによる電子納税、金融機関や税務署での窓口納税など)で期限内に税金を納付します。還付がある場合は、指定した金融機関の口座に税金が振り込まれます。還付金が振り込まれるまでには、申告書提出から数週間から1ヶ月程度かかるのが一般的です。

高配当投資における確定申告の注意点

まとめ

高配当投資における確定申告は、いくつかのケースで必要になったり、あるいは税負担を軽減するための有効な手段となります。特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合でも、損益通算や外国税額控除を受けるためには確定申告が必要となることをご理解いただけたかと思います。

確定申告の手続きは、必要書類を漏れなく準備し、「確定申告書等作成コーナー」などを利用して手順通りに進めれば、ご自身で行うことが十分に可能です。この記事で解説した手順を参考に、落ち着いて手続きを進めてみてください。

もし、ご自身のケースが複雑で判断に迷う場合や、確定申告書の作成に不安がある場合は、税務署の相談窓口を利用したり、税理士に相談することも検討されると良いでしょう。

この記事が、高配当投資における確定申告への理解を深め、手続きを進めるための一助となれば幸いです。